初心者のための

Dog Show解説

🏵 ドッグショーとは

よく犬の美人コンテストのようなものとおっしゃる方がいますが、それは間違いです。

たしかに、とてもきれいにしているので美人さんに見えるかもしれませんが、人間の美人コンテストとは違い、犬種それぞれに定められた標準かどうか、どの犬が標準に近いのかを審査するのがドッグショーです。

スタンダード(犬種標準)とは、各犬種の理想的な外見や特徴を定めた基準です。犬種ごとに、各団体によって定められています。

標準かどうかを審査するために、審査員は触審と言って骨格を触って調べたり、歯のかみ合わせや本数などを見たり、被毛や目の色、尻尾、など様々な項目をチェックします。さらに、歩き方を見て、正しく歩けているか、犬種の特徴が出ているかどうかなどを確認します。

日本は、FCI(国際畜犬連盟)に加盟しているので、FCIのスタンダードによって審査します。

日本犬は、JKCによって犬種標準が決められています。

FCIの一番大きなショーが毎年1回行われるワールドドッグショーで、FCI加盟国だけでなく、世界中からすぐれた犬種が集まります。開催地は毎年主催する加盟国が選んだ都市で行われ、2025年は8月にフィンランド ヘルシンキ、2026年は6月にイタリア ボローニャにて開催されます。



🏵 ドッグショーのルール(概略)

主催する団体によって、クラスの分け方や何位まで入賞になるかなど、若干ことなりますが、多くの場合、犬種毎にオスとメス、年齢によるクラス分けなどによってわかれて審査をし、1位から2,3,4位のように席次を決めます。1位になるとほかのクラスの1位の犬といっしょに審査をされ、オスの1位とメスの1位でその日の犬種の1位を選びます。

次の審査はグループ審査となりますが、このグループ分けも主催団体によって若干異なります。

FCIは、1から10までグループがわかれていて、各グループ毎の代表をグループ選で決めます。

最終的には10頭のグループ代表を集めて、その日のベストインショーが選ばれます。

FCIのベストインショーは、1位から3位または4位まで賞があります。

クラフトやウエストミンスターは、犬種の用途によって7つのグループに分かれていて、7頭からベストインショーとリザーブの2頭が選ばれます。


🏵 その他ドッグショーアレコレ

ベストインショーに選ばれたからといって、たくさんの賞金が出るわけではありません。(中には副賞としてドッグフードやわずかな賞金が出るショーもあります)

大きなショーになると、参加する犬が多いので、1日だけでは審査ができないので、2日、3日、4日と日数をかけて審査をしますが、必ず最終日にはベストインショーを決めます。

ベストインショーに選ばれるということは、そのショーで最も標準に近いに犬ということになり、必ず1位は一頭しか選ばれません。

犬の犬種保護の観点から、犬種の標準を守っていくことは非常に重要です。なぜなら、犬種標準というのは、その犬の特徴を表しているため、健康面や気質面を理解する上で大きく役に立っています。

犬は古来より人間との生活の中で、すぐれた能力を人間の役にたててきました。犬種標準を守って、彼らのすばらしい能力を未来までつないていくことは、人間社会にとっても非常に有益なことです。

ドッグショーを見ながら、この犬種の標準というのはどんなものなのだろうということに、少し興味を持ってみてもらえると、それぞれの犬たちが、自分のアイデンティを誇りに思って、リング内をしっかりと歩いていることに気づいていただけるのではないでしょうか。

もし、犬たちの、「私を見て。私ってすごいでしょ。」という声が聞こえたら、もうあなたはドッグショーのエキスパートです!